どうも、ピュアあざらしです!
今回は、私の絶対的な相棒であり、現在のメインアンプであるヴィンテージ「ポリトーン Mini-Brute IV」を紹介したいと思います。
このアンプとの出会いは、あるジャズライブが行われていたお店でした。 そこで日本を代表するプロのジャズギタリストが、1949年製の Gibson ES-175をこのポリトーンに繋いで演奏されていたんです。その瞬間に溢れ出した音を聴いて、「私が求めていた音はこれだ!」と衝撃を受けました。
どうしてもその音が忘れられず、店主の方に無理を承知で交渉し、譲っていただいたのがこの一台。今では私の愛機である1956年製の Gibson ES-175をプラグインし、ライブやセッションのメインとして活躍してくれています。

重さは約16kgほど。決して軽くはありませんが、車移動がメインなので、この音のためならと頑張って運んでいます(笑)。
もちろん、駐車場から店が遠い場合や、ステージが狭くてこの15インチスピーカーを置くスペースがない時は小型アンプに浮気することもありますが……。それでも、ここぞという時はやっぱりコイツを連れていきたくなります。
なぜなら、このヴィンテージ・ポリトーンには、現代のアンプでは決して出せない「甘くてメローな、これぞジャズ」という私の理想のトーンを奏でてくれるからです。
愛機である1956年製 Gibson ES-175をプラグインし、ギター本体のボリュームを少し絞る。その瞬間に溢れ出す、空気を含んだ芳醇なトーン。ボリュームを絞っても音が痩せず、むしろ表情が豊かになるそのレスポンスは、一度味わうと病みつきになります。
ジャズの巨匠たちも愛したこのアンプ。実は私の個体、知り合いから譲り受けた際にオーバーホールをして頂き、グリルが破損していた為、網戸メッシュで自作したという世界に一台の仕様なんです。
今回は、そんな魅力満載のヴィンテージ・ポリトーンを、実際の写真付きでじっくり紐解いていこうと思います。
【徹底レビュー】ヴィンテージ「ポリトーン Mini-Brute IV」
【比較】8インチ、10インチ、そして魔の15インチ
まずは何といってもこの大口径15インチスピーカーですね!音圧も凄く、音も図太く、特に細くなりがちな1、2弦の音も細くなりません。驚くのは、ギター本体のボリュームを絞った時の挙動です。音痩せするどころか、175の生鳴りに近い豊かな音色に変化しつつ、音の芯は太いままで、また違う表情を見せてくれるんです!ドラム、ピアノ、管楽器が入る編成で何度も演奏していますが、その圧倒的な音圧で存在感抜群です!音が埋もれて惨めな思いをした事はありません。

狭い店や、駐車場から距離のある店の時の相棒「DV MARK LITTLE JAZZ」8インチスピーカーと比較してみました。やはりデカいです。アンプ本体よりも15インチスピーカーの方がデカイ!

Roland CUBE 40GX 10インチスピーカーと比較してみました。やっぱりデカい!

これは譲り受ける前の、前オーナー宅での写真です。グリルが破損していた為、ホームセンターで網戸用の網とマジックテープを購入し、自作しました!
Before

綺麗になりました!なぜ網戸にしたかというと、専用のグリルネット(布)だけを見つけるのはまず困難で、もしあったとしても厚すぎて音がこもる気がしたのと、あえて中の巨大スピーカーが透けて見えるスケルトン仕様にしたかったからです。網戸なら通気性も抜群なので、15インチの音圧を邪魔しません(笑)」といった、音響面でのメリット(?)
After

スピーカーのコーンも破損していたので前オーナーが修復して下さいました。

基盤部分です。私は詳しくは分かりませんが、前オーナー曰く、パワートランスとパワートランジスタ交換済みらしいです。

赤丸のところの部品は、もう部品が無いし汎用も規格が合わないそうで、壊れたら終わりらしいです(泣)

※前オーナーに頂いた修理当時の参考写真です。色々なヴィンテージポリトーンを修理されているので、私に譲って頂いたⅣ以外の写真の可能性もあります。誰か詳しい方がいらっしゃいましたら、教えていただけると嬉しいです!
写真から見る年代特定(推測)のポイント
コントロールパネルの「赤枠」と「Brute」ロゴ

- 特徴: 黒いパネルに、赤いラインで四角い囲みがあり、その中に白い文字で「Bass」「Treble」「Volume」と書かれています。また、モデル名がシンプルに「brute」とだけ書かれています。
- 判定: これは70年代後半から80年代初頭のポリトーンによく見られる特徴的なデザインです。
ノブの形状と色
- 特徴1: Volumeノブだけが「赤色」で、他はシルバーのトップがついた黒いノブです。この赤いVolumeノブよく見ると周りにリングが付いていて「二重構造」になっていますね。まさにこの「二重構造」こそ70年代後半から80年代のポリトーンを象徴する機能的な特徴です。
- 特徴2: 面白いのがボリュームノブの構造です。赤いセンターノブがオーバードライブ(歪み)で、その外側のリングがクリーンのボリュームになっています。この二重構造で絶妙な『歪み感』をミックスできるのが、この時代のポリトーンならではの設計ですね。もちろん、両方単体で使用することも出来ます。私はクリーンをメインにしていますが、赤ノブをほんの少しだけ隠し味に混ぜることで、15インチの太い音にさらに『粘り』を出すこと出来ますよ。
- 判定: 初期(70年代前半)のモデルはすべてのノブが丸い色付き(赤や白)のことが多いですが、この「Volumeだけ赤、他は黒」という組み合わせも、70年代後半の過渡期に見られる仕様です。
シリアルナンバー

- 特徴: 「S/N P-16348」
- 判定: ポリトーンのシリアルは法則性が不明ですが、5桁の数字は70年代後半〜80年代の個体に多く見られます。
本来のグリルの仕様
- 特徴: 現在は自作の網ですが、外装のダイヤモンドパターンのトーレックスは、本来「フォーム(スポンジ)グリル」がついていた時代のものです。
- 判定: スポンジグリルは70年代中盤〜80年代初頭の象徴的な仕様です。
「コントロールパネルの赤枠デザインや、Volumeノブだけが赤い仕様、そして本来はスポンジグリルであったと思われる外装の特徴から、この個体はおそらく1970年代後半から1980年代初頭に製造された、Mini-Brute Ⅳのヴィンテージモデルと推測されます。」
ここまで、年代特定(推測)のポイントを解説して来ましたが、あくまでも推測に過ぎません。もし詳しい方いらっしゃいましたら、コメント欄にてコメント頂けたら嬉しいです!
1956年製 ES-175 × ポリトーンⅣの「深い」話

1956年の「木」と、70年代の「回路」が対話する
私のメインギターは、1956年製のGibson ES-175。 70年前の熟成されたメイプルボディが放つ、枯れた箱鳴り。これを1970年代の無骨なアナログ回路を持つポリトーンが受け止める。
最新のデジタルアンプではどうしても再現できない、不器用なほどストレートなアナログ同士の組み合わせ。これこそが、50年代の古いレコードから流れてくるような、温かくも芯のあるトーンを現代に呼び戻す唯一の方法だと思っています。
P-90の「繊細さ」を、15インチの「太さ」に変える
1956年製 Gibson ES-175に搭載されているP-90(シングルコイル)は、非常にレンジが広く、弾き手のニュアンスに敏感です。
最近のアンプで鳴らすと、時に高音域が耳に痛く感じることがありますが、ポリトーンⅣの15インチスピーカーはその鋭さを絶妙に丸め込んでくれます。代わりに、ジャズギターにとって最も重要な「中音域の密度」をグワッと押し出してくれる。この相性の良さが、唯一無二のジャズトーンを生んでいるんです。
ボリューム操作の魔法。絞って完成する「色気」
私がこのアンプを愛してやまない最大の理由は、ギター本体のボリュームを「絞った時」の音色にあります。
一般的に、ギターのボリュームを8〜7に下げると音が痩せてしまいがちですが、オーバーホールで電源周りを強化した私のポリトーンは違います。
出力を抑えることで、175のボディが持つ繊細なアコースティック感を前面に引き出しつつ、音の密度は太いまま。まるで生音にアンプの厚みが優しくコーティングされたような、艶のある音色に変化するんです。ボリューム全開のパワフルな音と、絞った時のメローな音。一台のアンプで、まるで別々のギターを弾いているような豊かな表情を楽しむことができます。
まとめ:ヴィンテージ・ポリトーンが教えてくれること
今回、改めてこの1970年代後半製のポリトーンⅣを掘り下げてみて、確信したことがあります。
それは、「このアンプにしか出せない、甘くてメローな理想のトーンがある」ということです。 1956年製 Gibson ES-175との組み合わせは、単なる機材のセットアップを超えて、私に音楽のインスピレーションを与え続けてくれる最高のパートナーです。
もちろん、ヴィンテージ機材ゆえの悩みもあります。
- 「とにかく重い・デカい」:15インチスピーカーの音圧の代償として、運搬はなかなかの重労働です。
- 「故障のリスク」:中身はオーバーホール済みとはいえ、いつ汎用パーツの合わない箇所が寿命を迎えるかという不安は常に隣り合わせです。
もし、あなたが「ヴィンテージの維持や重さはちょっと厳しいけれど、ジャズのいい音が欲しい」と考えているなら、現代の機材という選択肢も大いにアリだと思います。
実は私も、駐車場の遠い会場や狭いジャズクラブでの演奏では、「軽くて壊れない、現代の救世主」的なアンプを併用しています。
次回は、そんな私が信頼して現場を任せている「DV MARK」の徹底レビューをお届けする予定です!
ポリトーンの「ロマン」と、DV MARKの「合理性」。両方を知ることで、あなたの理想のジャズトーンへの道がより鮮明になるはずです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

コメント